それはマのつく心理テスト?!



「ゆーちゃん」
アイスをくわえて、自分の部屋に戻ろうとする俺の肩を勝利がたたいた。
「なんだよ?」
「今、どっちの手でたたいたでしょう?」
「はぁ?どっちでもいいよ」
「よくない!これには、ゆーちゃんの将来がかかってるんだ」
この兄貴は、イキナリなにを言いだすんだろう?
「えー?…左?」
「さすが、ゆーちゃん!」
そういって、抱きついてくる。
「うわっ!」
「そうか、やっぱりゆーちゃんは素直で優しくて天使で…」
「で、これなんなワケ?」
「あぁ、さっき 笑っていいかも! でやってたんだけど…」
勝利の説明によると、誰かに肩をたたかれた時どちらの手でたたかれたと思うかというものらしい。
で、右手だと思ったら『腹黒い』 左手だと思ったら『素直』という心理テストらしい。
「勝利は、どっちだったの?」
「俺は、右手だ」
勝利が、右手をヒラヒラさせて言う。
有利は、聞くまでもなかったか…と思うと自分の部屋に戻った。
部屋に戻ると、これから会う友人にこの心理テストをためしてみようと思った。
とんとんッ!
待ち合わせ場所で待っていた、友人の肩をたたく。
「渋谷!」
「なぁ、村田。俺、どっちの手で肩たたいたと思う?」
「うーん…左手かな?」
「やっぱ、そうだよな…えぇ!?」
絶対に、右手だと思っていた俺はありえないぐらいに驚いた。
「何そんなに驚いてるのさ?」
「いや、これさ。心理テストなんだけど…」
俺は、説明すると
「…ということで、村田は…素直…なんだって」
「へぇ!でも、当たり前のことだね。僕は素直な子だから…」
「ちょっと待て!俺は、この心理テストなんて信じてないかんなッ!」
「渋谷は、素直…だよね?」
「あぁ、そうだけど…?」
そんなことを話していると、村田の家に着いた。
家の庭に、ビニールプールが置いてある。
「なんで、ビニールプール?」
「あぁ、物置を整理してたら出てきて、懐かしかったからつい…」
へぇ。と言いながら、ビニールプールに手を入れる。
あれ?底につかない…なんて思ったら、いきなりプールにすい込まれる。
今度は、ビニールプールでスタツアかぁ…。
俺は、感慨深げに頷いていた。
ドスン…。
意外に、ふかふかしているここは血盟城の庭のようだった。
「ふぅー、助かった」
「ユーリ?」
俺が、よっこらしょっと立つとコンラッドがいた。
「コンラッド!」
「陛下、いつこちらへ?」
「今さっきだよ?あ!」
「なんですか?」
「ちょっとコンラッド、うしろ向いてくれない?」
「はい?」
不思議がりながらも、うしろを向いてくれる。
俺は、背の高い彼の肩をなんとかたたいた。
「なぁ、俺どっちの手でたたいたと思う?」
「え?そうですねぇ…右手…ですか?」
「そうだよ、やっぱコンラッドは左…えぇ!?」
「どうしたんですか?」
「なんで、村田は素直なのに…コンラッドが腹黒い…?」
「腹黒い?」
コンラッドに心理テストのことを説明する。
「そうなんですか。日本では変わったことが流行ってますね」
そういってニッコリ。え?腹黒いことは、いいのかな…?
「他の人にも、試してきてはどうですか?」
「うん!行ってくるよ」
俺は元気にかけだすと、血盟城に入った。
ギュンターが廊下を歩いている。
俺は、静かに近づくと肩をたたいた。
「?陛下っ!!!!!!!!!!!いつこちらへ?」
「さっきだよ。ねぇ、今どっちの手で肩たたいたと思う?」
「どちらの手ですか…左手ですか?」
「あぁ、やっぱり」
やっと、俺は納得できるとギュンターに説明をしてやる。
「そうなのですか!陛下に素直で純情で可憐だなんて認めてもらうなどなんという…」
俺は、そそくさと退散した。
今度は、ヴォルフラムとグレタが仲良く歩いている。
とんとんっ!二人の肩をたたく。
「ユーリっ!」
二人の声がきれいにハモった。
「いつ帰ってきたんだ!」 「ん、さっきだよ」
「ユーリ、おかえり!」
「ただいま、グレタ」
優しくグレタの頭をなでると、心理テストを試す。
「僕は、右手だ!」
「うーん…左かなぁ?」
「さすがグレタだ!」
ぎゅっとグレタを抱きしめる。(あれ?この流れ、どこかで…?)
「どういうことだ!ユーリ!」
天使のようなヴォルフラムが腹黒い…。
でも、思いあたることがけっこうある…。
2人に説明をしてやると、グレタはぴょんぴょん跳ねて喜んだ。
その横に、ぶすっとスネているヴォルフラムがいる。
グレタに、他の人にも試してくるといってウロウロしているとグリ江ちゃんを発見した。
「あーら、坊ちゃんじゃないですかぁ!」
「ちょっと後ろむいてくれる?」
「こうですか?」
「うん、そうそう」
肩をたたくと同じ質問をする。
「そぉですね、左手ですかね?」
「へぇ、ヨッザクもかー」
説明をすると、「そぉですか、まぁ当たり前ですけど」と言ってどこかへ歩いていった。
「陛下、ここにいらしたのね」
優雅に微笑むのは、ツェリ様。
ツェリ様の肩をたたくのは、怖いので言葉で説明する。
うーん…と可愛らしく首を傾げるときっぱり言った。
「右手ね」
ツェリ様に、おそるおそる説明をする。
俺の説明を聞くと、ツェリ様は悪戯っぽく笑うと「当たってるわね」と言った。
「いっけない!夜のパーティに間に合わないわ。じゃあね陛下」
ウインクをすると、去っていった。
ニャオ!
鳴き声と共に、俺の足にネコがすりよってきた。
そっと抱き上げると、飼い主(グウェンダル)に渡してあげる。
「いつ帰ってきた?」
「さっきだよ」
「そうか」
「あの、後ろ向いてほしいんだけど」
「…分かった」
グウェンダルの肩を、遠慮がちにたたく。
「…なにかの儀式か?」
「いや、その…。俺、今どっちの手でたたいたと思う?」
「左か?」
説明をすると、眉間のシワが深くなった気がする…。
「グウェンダル!おとなしくでてきなさい!」
凛とした声が、廊下に響く。
グウェンダルの顔色がサッと変わった。
そして、足音を立てないように逃げていく。
「全く…これだから男は…陛下?」
「いや、あの…」
「なにか、用でも?」
「あのさ…」
この人もツェリ様と同様、肩なんてたたいたら、どうなるかわかったもんじゃない。
なので、説明をすると
「右手」
即答…。
「じゃあ、陛下。グウェンダルを探してきますから」
スタスタと歩いていく。
どうやら、グウェンダルの居場所はわかっているようだ。
ご愁傷様です…。
俺は、手を合わせると夕飯はなにかなー?と食堂にむかった。
…結局、食べられなかったけど。
☆結果一覧表☆
    右手=腹黒い    勝利・コンラッド・ヴォルフラム・ツェリ様・アニシナ
    左手=素直     ユーリ・ムラケン・ギュンター・グレタ・ヨザック・グウェンダル




〜あとがきっぽいモノ〜



さて、あとがきっぽいモノを書こうと思います。
あくまで、あとがき「っぽいモノ」です。
今回の心理テストの振り分けの理由↓↓↓


「ユーリ」       もちろん素直!そしてどこまでも純情少年です←願望

「ショーリ」      この人は、腹黒いですね。フツーに。

「ムラケン」      実のところ「笑っていいかも!」を観てました。でもそんなことは、一切感じさせません。

「コンラッド」     うーん、あの笑顔が怪しい。爽やか度120%=腹黒さ120%

「ギュンター」     この人が腹黒かったら、ユーリの身が危険です。

「ヴォルフラム」    天使のごとき美少年の、心は真っ黒。このギャップは最高です(笑

「グレタ」       ここは素直じゃなきゃね。ユーリがかわいがって育ててますから。

「ヨザック」      正直迷ったけど…素直…かなぁ?なんか、どっちでもない気がする。

「ツェリ様」      腹黒いでしょう、本人も言ってますし。

「グウェンダル」    素直っぽいよね。趣味と性格を考えると…ねぇ?

「アニシナ」      毒女ですから。素直なアニシナ…想像できません。


あたしてきには…の考えですから、あんま気にしないで下さい。(じゃあ、書かないで下さい…みたいな)

あたしは、ユーリとヴォルフラムがLOVEです♪

冬佳の家に遊びに行ったら、「笑っていい○も!」でやってました。
「ユーリは素直だよねぇ」「ムラケンは腹黒い?」「いや、裏をかいて…」「あぁ、ナルホド」
とか話してたら、書きたくなって書きました。

なんか「あとがきっぽいモノ」にすらなってない気がします…(どうしてだろう?)

少しでも、皆さんに楽しんでいただけたら…と心から思います。

もしよければ、感想も送ってくださると嬉しいです。

                        ☆夏姫☆




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